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この地獄は人間世界の下、約八千キロの所にあって、大きさは縦横共に八万キロほどです。この地獄に堕ちた罪人達は常に相手に対して互いに敵意を持っています。もし出会ったりすると狩人が鹿でも見つけたように鉄の爪で互いに傷つけ合うのです。そして、血も肉も完全になくなるほどに傷つけ合って終いには骨だけとなってしまう。 あるいは、地獄の鬼達がやってきて、鉄の杖や鉄の棒で罪人達を頭のてっぺんから足の先まであらゆる所を叩きつぶして、体中がちょうど砂の固まりのように粉々になってしまうのです。 あるいは、きわめて刀の鋭い刃であたかも料理人が魚を切り刻むが如く体中の肉を切り裂きますが、涼しい風が吹いてくると再び生き返って前と同じ苦しみを何度も何度も繰り返します。 死ぬほど辛い責め苦にあって、死んだようにみえても、誰も等しく活(よみがえ)って地獄の苦しみが何度でもきてくるしみを耐えなければならない。 この地獄は、「殺生」をしたものに与えられるが、人間だけではなくあらゆる生き物を殺すこと、さらにはその肉を煮たり焼いたりして食べたことの悪行の果てこの地獄に堕ちる。たいがいの人間はここに落ちるのである。 その責め苦は、自分が成したのとおんなじように、身を切られ、火中であぶられたり、煮られたりで、まさに因果がめぐるのである。 因みに、八大地獄の中で最も刑期の短いのがこの等活地獄だが、人間世界の50年が四天王天の一日になり、四天王天の寿命が500年で、この地獄では四天王天の寿命は一日であります。そして、この地獄の刑期は500年ですから、人間界の年数で計算すると12,500,000年間出れないことになる長い刑期ですが、まだまだ、ここは入り口の地獄と言うことを忘れてはならない。現世と違い苦しいからと言って自殺することは出来ないのである。 こんな世界に死んでもいきたくないですね。
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等活地獄に加えて、さらに真っ赤に焼けた黒い鉄縄で体を焼かれいたぶられる。
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この地獄の広さは前の地獄と同じです。
向かい合った巨大な鉄の山があり、その間に罪人が入ると両側の山が迫ってきて罪人を押しつぶしてしまう。
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読んで字の如く、この地獄に落ちると、苦痛のあまり泣き叫びわめくことからこの名前がついた。 ここの広さも上記と同じで、ここの地獄の鬼の首領は身体中が黄金色で、目から炎を出して真っ赤な着物を着ています。手も足も大きく風のように速く走り、気味の悪い声を発して罪人を懼れさせます。
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広さは前の地獄と同じで、苦しみの内容も同じですが四大地獄と小地獄の苦しみを足してその十倍の苦しみがあると言われています。
生き物を殺し、他人の者を盗み、よこしまなる性行為、酒を飲み、そして嘘をついた者がこの地獄へ堕ちます。
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とにかくあつい身も熔けてしまう熱さでその責め苦がある。
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焦熱地獄に倍加してさらに熱い責め苦が待っている。
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アビーチと梵語では言って、阿鼻地獄とも言う。地獄を梵語でナラカといい、奈落の底である。地獄の中で一番に最悪の場所であることは言うまでもない。
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花山勝友訳・・・往生要集より引用